2002年第17回韓国・日本大会
大会方式： 32チームを8グループに分け予選リーグを戦い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出。
大会結果： 優勝　 ：ブラジル（５回目）
準優勝：ドイツ
３位　　：トルコ
４位　　：韓国
得点王（８点）： ロナウド（ブラジル）
最優秀選手： オリバー・カーン（ドイツ）
ヤシン賞（最優秀ＧＫ）： オリバー・カーン（ドイツ）
フェアプレー賞： ベルギー
総評： 　２１世紀最初のＦＩＦＡワールドカップＴＭは、異例ずくめの中で開催された。まず、これまで欧州と南北アメリカでのみ開催された本大会が、初めてアジアに舞台を移して行われたこと。そして開催国は、日本と韓国による「共催」という形が初めて採用され、両国合わせて２０もの会場でゲームが行われることとなった。また、準決勝に進出した４チームのうち、これまで一度もグループリーグを突破したことのない２チーム（トルコと韓国）が含まれていたことも、世界中のファンを大いに驚かせた。とりわけ韓国のベスト４進出は、アジア勢では初の快挙として、特筆に値しよう。開催国・韓国では、国を挙げて４強戦士の快挙に酔いしれた。
　その一方で、当初「優勝候補」と目されていた強豪国が、次々と姿を消していったのも、この大会の特徴であった。当時、圧倒的な攻撃力を誇っていたアルゼンチンやポルトガルは、そろってグループリーグ敗退。前回優勝国のフランスに至っては、一度もゴールネットを揺らすことなく、寂しく大会を去っていった。イタリアとスペインは、決勝トーナメントに進んだものの、いずれも韓国の勢いとアウエーの雰囲気にのまれてしまい、さらには不可解な判定にも泣かされて、不完全燃焼のまま帰国を余儀なくされた。
　逆に決勝にコマを進めたのが、ブラジルとドイツだったのは何とも興味深い。というのも、両者はいずれも大陸予選で大いに苦しんでいたからである。ブラジルは、前代未聞の６敗を喫し、３位で辛くも予選をクリア。対するドイツも、ホームでイングランドに１−５と大敗を喫し、ウクライナとのプレーオフを何とか制してアジアへの切符を手にしている。ブラジルもドイツも、本大会に入ってから徐々にチーム状態がピークに向かっていったことが、他の強豪国との決定的な違いであった。
　ところで、われわれ日本人は、この大会で何を得ることができたのだろうか。トルシエ監督率いる日本代表は、初戦のベルギー戦を劇的に引き分け、続くロシア戦で歴史的な大会初勝利を挙げ、第３戦のチュニジア戦にも快勝して夢の決勝トーナメント進出を果たした。結果的には、ベスト８進出を懸けたトルコ戦で敗れてしまったが、それでも大会そのものが盛り下がることはなく、むしろ連日の熱戦で新たなサッカーファンが急増。さらには日本全国で外国人サポーターとの交流が生まれるなど、その影響力はスタジアムの外側にも広がっていった。また、大会に合わせて作られたスタジアム群やキャンプ地は、その後もＪリーグをはじめとする地域スポーツの拠点となっていることからも、この大会が有形無形の財産を日本に残したことは間違いない。その意味で今大会は、サッカーという競技を超えて、日本社会全体に多大なインパクトを与えたといえよう。 　

◆決勝トーナメント　

ドイツ

　

 

 

 

 

 

 

 

 

　

デンマーク

1-0

　

 

 

 

 

 

 

 

　

パラグアイ

　

　

　

優勝　ブラジル

 

　

3-0

イングランド

 

1-0

　

準優勝　ドイツ

 

　

 

メキシコ

 

 

　

　

 

　

 

　

2-1

　

ブラジル

　

 

　

　

 

　

 

　

　

2-0

アメリカ

2-0

　

 

　

 

　

 

　

 

　

ベルギー

　

 

1-0

　

　

　

　

1-0

 

 

スペイン

　

 

 

　

2-0

 

　

 

 

スウェーデン

1-1

　

 

　

 

 

　

 

　

アイルランド

(PK3-2)

　

 

　

 

 

 

　

　

2-1

セネガル

　

0-0

　

　

３位決定戦

 

　

　

　

韓国

　

(PK5-3)

　

 

トルコ

 

　

1-0

 

日本

2-1

　

　

 

3-2

 

　

　

　

イタリア

　

 

 

 

韓国

 

 

　

1-0

トルコ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

　


◆グループリーグ　勝点（勝＝3点、分＝1点、負＝0点）
Ａｇｒｏｕｐｅ
Ａgroupe　 デンマーク セネガル ウルグアイ フランス 勝 分 負 得 失 勝点
デンマーク --- △
1-1		 ○
2-1		 ○
2-0		 2 1 0 5 2 7
セネガル △
1-1		 --- △
3-3		 ○
1-0		 1 2 0 5 4 5
ウルグアイ ●
1-2		 △
3-3		 --- △
0-0		 0 2 1 4 5 2
フランス ●
0-2		 ●
0-1		 △
0-0		 --- 0 1 2 0 3 1
Ｂｇｒｏｕｐｅ
Ｂgroupe　 スペイン パラグアイ 南アフリカ スロベニア 勝 分 負 得 失 勝点
スペイン --- ○
3-1		 ○
3-2		 ○
3-1		 3 0 0 9 4 9
パラグアイ ●
1-3		 --- △
2-2		 ○
3-1		 1 1 1 6 6 4
南アフリカ ●
2-3		 △
2-2		 --- ○
1-0		 1 1 1 5 5 4
スロベニア ●
1-3		 ●
1-3		 ●
0-1		 --- 0 0 3 2 7 0
Cｇｒｏｕｐｅ
Ｃgroupe　 ブラジル トルコ コスタリカ 中国 勝 分 負 得 失 勝点
ブラジル --- ○
2-1		 ○
5-2		 ○
4-0		 3 0 0 11 3 9
トルコ ●
1-2		 --- △
1-1		 ○
3-0		 1 1 1 5 3 4
コスタリカ ●
2-5		 △
1-1		 --- ○
2-0		 1 1 1 5 6 4
中国 ●
0-4		 ●
0-3		 ●
0-2		 --- 0 0 3 0 9 0
Dｇｒｏｕｐｅ
Ｄgroupe　 韓国 アメリカ ポルトガル ポーランド 勝 分 負 得 失 勝点
韓国 --- △
1-1		 ○
1-0		 ○
2-0		 2 1 0 4 1 7
アメリカ △
1-1		 --- ○
3-2		 ●
1-3		 1 1 1 5 6 4
ポルトガル ●
0-1		 ●
2-3		 --- ○
4-0		 1 0 2 6 4 3
ポーランド ●
0-2		 ○
3-1		 ●
0-4		 --- 1 0 2 3 7 3
Eｇｒｏｕｐｅ
Ｅgroupe　 ドイツ アイルランド カメルーン サウジアラビア 勝 分 負 得 失 勝点
ドイツ --- △
1-1		 ○
2-0		 ○
8-0		 2 1 0 11 1 7
アイルランド △
1-1		 --- △
1-1		 ○
3-0		 1 2 0 5 2 5
カメルーン ●
0-2		 △
1-1		 --- ○
1-0		 1 1 1 2 3 3
サウジアラビア ●
0-8		 ●
0-3		 ●
0-1		 --- 0 0 3 0 12 0
Fｇｒｏｕｐｅ
Ｆgroupe　 スウェーデン イングランド アルゼンチン ナイジェリア 勝 分 負 得 失 勝点
スウェーデン --- △
1-1		 △
1-1		 ○
2-1		 1 2 0 4 3 5
イングランド △
1-1		 --- ○
1-0		 △
0-0		 1 2 0 2 1 5
アルゼンチン △
1-1		 ●
0-1		 --- ○
1-0		 1 1 1 2 2 4
ナイジェリア ●
1-2		 △
0-0		 ●
0-1		 --- 0 1 2 1 3 1
Gｇｒｏｕｐｅ
Ｇgroupe　 メキシコ イタリア クロアチア エクアドル 勝 分 負 得 失 勝点
メキシコ --- △
1-1		 ○
1-0		 ○
2-1		 2 1 0 4 2 7
イタリア △
1-1		 --- ●
1-2		 ○
2-0		 1 1 1 4 3 4
クロアチア ●
0-1		 ○
2-1		 --- ●
0-1		 1 0 2 2 3 3
エクアドル ●
1-2		 ●
0-2		 ○
1-0		 --- 1 0 2 2 4 3
Hｇｒｏｕｐｅ
Ｈgroupe　 日本 ベルギー ロシア チュニジア 勝 分 負 得 失 勝点
日本 --- △
2-2		 ○
1-0		 ○
2-0		 2 1 0 5 2 7
ベルギー △
2-2		 --- ○
3-2		 △
1-1		 1 2 0 6 5 5
ロシア ●
0-1		 ●
2-3		 --- ○
2-0		 1 0 2 4 4 3
チュニジア ●
0-2		 △
1-1		 ●
0-2		 --- 0 1 2 1 5 1

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