1950年第4回ブラジル大会

大会方式: 16チームを4グループに分け予選1次リーグを戦う。
しかし、出場権を獲得していたトルコとスコットランドが棄権。 代わりにポルトガルとフランスが指名されたが両チームとも最終的に棄権。 さらにインドが裸足でのプレーを認められずに棄権。 結局13チームによる大会となった。
各グループの首位チームが決勝リーグで総当たり戦を行なう。
大会結果: 優勝  :ウルグアイ(2回目)
準優勝:ブラジル
3位  :スウェーデン
4位  :スペイン
得点王(9点): アデミール(ブラジル)
総評:  第二次大戦の終結から5年後、FIFAワールドカップTMが12年ぶりに再開されることとなった。開催地は、唯一名乗りを挙げていたブラジルに決定。ブラジルはこの大会のために20万人収容の巨大スタジアム、マラカナンを新設した。
 ようやく再開なったFIFAワールドカップTMだったが、経済的・政治的理由から出場を辞退する国が相次ぎ、本大会の出場国は13カ国にとどまった。話題となったのは「サッカーの母国」イングランドの初参加である。19世紀から20世紀にかけて、世界のサッカー界をリードしてきたという自負心を持つイングランドは、自国以外のサッカーレベルを低く見ていたため、「栄光ある孤立」の道を選び、FIFAワールドカップTMにも参加することはなかった。そんなイングランドの満を持しての登場に、イングランド国民はもちろんのこと、周囲も優勝候補の筆頭にイングランドの名を挙げていた。
 ところがイングランドは、FIFAワールドカップTM史上最大の番狂わせを演じることとなる。初戦を2−0で順当にチリを下したものの、続くアメリカ戦では何と0−1で敗れてしまったのだ。明らかに格下だったアメリカに負けた――これはイングランド人にとって、信じがたいニュースだった。記者は伝達ミスと判断し、「10−1でイングランドが勝った」と報じた英国の新聞もあった。この敗戦に落胆したのか、イングランドは第3戦のスペインにも1−0で敗れ、1次リーグで早々と姿を消してしまった。
 最終リーグに進出したのは、ブラジル、ウルグアイ、スウェーデン、そしてスペイン。のちに「無敵艦隊」を呼ばれるスペインは、実はこの大会でのベスト4が、これまでの最高順位である。
「事実上の決勝戦」となった、ブラジルとウルグアイの一戦では、またしても大波乱が起こる。大会を通して圧倒的な強さを見せつけていたブラジルが、土壇場でまさかの逆転負けを喫し、優勝をウルグアイにさらわれてしまったのだ。、それまで大歓声に包まれていスタンドは一瞬にして静まり返り、4人のブラジル人がショックで死亡した。開催国ブラジルにとっては、実に悲劇的な幕切れとなった。
 


◆決勝リーグ 
順位 決勝リーグ 
ウルグアイ ブラジル スウェーデン スペイン 勝点
優勝 ウルグアイ ---
2-1

3-2

2-2
2 1 0 7 5 5
準優勝 ブラジル
1-2
---
7-1

6-1
2 0 1 14 4 4
3位 スウェーデン
2-3

1-7
---
3-1
1 0 2 6 11 2
4位 スペイン
2-2

1-6

1-3
--- 0 1 2 4 11 1


◆1次リーグ    勝点(勝=2点、分=1点、負=0点)
1組  ブラジル ユーゴスラビア スイス メキシコ 勝点
ブラジル ---
2-0

2-2

4-0
2 1 0 8 2 5
ユーゴスラビア
0-2
---
3-0

4-1
2 0 1 7 3 4
スイス
2-2

0-3
---
2-1
1 1 1 4 6 3
メキシコ
0-4

1-4

1-2
--- 0 0 3 2 10 0
2組  スペイン イングランド チリ アメリカ 勝点
スペイン ---
1-0

2-0

3-1
3 0 0 6 1 6
イングランド
0-1
---
2-0

0-1
1 0 2 2 2 2
チリ
0-2

0-2
---
5-2
1 0 2 5 6 2
アメリカ
1-3

1-0

2-5
--- 1 0 2 4 8 2
3組  スウェーデン イタリア パラグアイ 勝点
スウェーデン ---
3-2

2-2
1 1 0 5 4 3
イタリア
2-3
---
2-0
1 0 1 4 3 2
パラグアイ
2-2

0-2
--- 0 1 1 2 4 1
4組  ウルグアイ ボリビア 勝点
ウルグアイ ---
8-0
1 0 0 8 0 2
ボリビア
0-8
--- 0 0 1 0 8 0


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