1962年第7回チリ大会

大会方式: 16チームを4グループに分け予選1次リーグを戦い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントへ進出する。
大会結果: 優勝  :ブラジル(2回目)
準優勝:チェコスロバキア
3位  :チリ
4位  :ユーゴスラビア
得点王(4点): ガリンシャ(ブラジル)
ババ(ブラジル)
レオネル・サンチェス(チリ)
ドラゼン・イエルコビッチ(ユーゴスラビア)
フロリアン・アルベルト(ハンガリー)
ワレンティン・イワノフ(ソ連)
総評:  1956年のFIFA総会で、第7回大会はチリで開催されることが決定した。ところが大会開催の2年前、1960年にチリはマグニチュード8.5の大地震に襲われ、壊滅的な打撃を受ける。すべてが崩壊したこの地での開催は不可能と思われた。だがチリは諦めなかった。国民が一丸となってこの悲劇を乗り越え、1962年5月30日の開会式を無事に迎えたのである。
 FIFAワールドカップTMにかけるチリ国民の情熱は、代表チームにも宿っていた。チリ代表は、イタリア、スイスを押さえ、西ドイツに次ぐ2位でグループリーグを突破し、決勝トーナメントに駒を進めた。決勝トーナメント1回戦では、1960年の欧州選手権を制したソ連と対戦。ソ連優位との下馬評をはねのけ、2−1でソ連を下して準決勝進出を果たした。準決勝では前回王者のブラジルに敗れたが、それでも3位決定戦でユーゴスラビアに1−0で競り勝ち、3位という素晴らしい結果を収めた。
 開幕前に注目されたのはソ連とブラジルだった。前述した通り、ソ連は2年前の欧州選手権の覇者であり、ブラジルは前回チャンピオンであったからだ。しかしソ連は準決勝で地元チリに不覚をとり、大会から姿を消した。これにかわって大躍進をみせたのが、東欧のチェコスロバキアである。同国唯一のバロンドール受賞者であるヨゼフ・マソプストを中心に、堅い守備と正確なプレーが光るチームであった。チェコスロバキアは、同じ東欧の強豪ハンガリー、ユーゴスラビアを下して決勝まで勝ち上がってきたが、王者ブラジルに屈し、初のタイトル獲得は夢と終わった。ブラジルは、イタリア、ウルグアイに続いて、FIFAワールドカップTM2度目の優勝を成し遂げた国となった。
 



◆決勝トーナメント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝 ブラジル

 

 

ソ連

 

準優勝 チェコスロバキア

 

西ドイツ

 

 

 

 

 

 

チリ

2-1

 

 

 

 

1-0

ユーゴスラビア

 

 

 

 

 

 

ブラジル

 

4-2

3-1

3-1

 

ハンガリー

3-1

 

 

 

 

 

イングランド

 

 

3位決定戦

 

1-0

チェコスロバキア

 

チリ

 

 

 

 

1-0

 

 

 

 

 

ユーゴスラビア

 

 




◆1次リーグ   勝点(勝=2点、分=1点、負=0点)
1組  ソ連 ユーゴスラビア ウルグアイ コロンビア 勝点
ソ連 ---
2-0

2-1

4-4
2 1 0 8 5 5
ユーゴスラビア
0-2
---
3-1

5-0
2 0 1 8 3 4
ウルグアイ
1-2

1-3
---
2-1
1 0 2 4 6 2
コロンビア
4-4

0-5

1-2
--- 0 1 2 5 11 1
2組  西ドイツ チリ イタリア スイス 勝点
西ドイツ ---
2-0

0-0

2-1
2 1 0 4 1 5
チリ
0-2
---
2-0

3-1
2 0 1 5 3 4
イタリア
0-0

0-2
---
3-0
1 1 1 3 2 3
スイス
1-2

1-3

0-3
--- 0 0 3 2 8 0
3組  ブラジル チェコスロバキア メキシコ スペイン 勝点
ブラジル ---
0-0

2-0

2-1
2 1 0 4 1 5
チェコスロバキア
0-0
---
1-3

1-0
1 1 1 2 3 3
メキシコ
0-2

3-1
---
0-1
1 0 2 3 4 2
スペイン
1-2

0-1

1-0
--- 1 0 2 2 3 2
4組  ハンガリー イングランド アルゼンチン ブルガリア 勝点
ハンガリー ---
2-1

0-0

6-1
2 1 0 8 2 5
イングランド
1-2
---
3-1

0-0
1 1 1 4 3 3
アルゼンチン
0-0

1-3
---
1-0
1 1 1 2 3 3
ブルガリア
1-6

0-0

0-1
--- 0 1 2 1 7 1

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