1966年第8回イングランド大会

大会方式: 16チームを4グループに分け予選1次リーグを戦い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントへ進出する。
大会結果: 優勝  :イングランド(初)
準優勝:西ドイツ
3位  :ポルトガル
4位  :ソ連
得点王(9点): エウゼビオ(ポルトガル)
総評:  第8回FIFAワールドカップTMの舞台は“サッカーの母国”。この大会はいろんな意味で、話題満載の大会となった。
 ひとつめの事件は、大会の数ヶ月前に起きた。イングランド連盟によって大切に保管されていたジュール・リメ杯が盗まれたのである。事件発生から8日後、トロフィーは無事発見され、事なきを得たが、この事件は大会そのものに波乱が起きるという予告だったのかもしれない。ちなみにお手柄を立てたのは、ピクルスという名の警察犬であった。
 大会が開幕すると、強豪と呼ばれた2チームが波乱の末、グループリーグで姿を消した。ひとつはイタリア、もうひとつはブラジルであった。イタリアは北朝鮮という未知のチームに、まさかの敗北を喫し、決勝トーナメントへの道を閉ざされた。これに激怒したファンは、帰国したアッズーリに対して激しいブーイングを浴びせ、腐ったトマトを投げつけた。
 史上初の3連覇を狙っていたブラジルもまた、決勝トーナメントに駒を進めることはできなかった。確かにこの大会のセレソンには、58年当時の圧倒的な強さはなかったが、それでも十分に力のあるチームだった。彼らの行く手を阻んだのは、相手選手のラフプレーと審判の不公平なジャッジだった。ブラジル選手に対して相手選手がラフプレーをしても審判は沈黙、ペレやガリンシャがその犠牲者となった。嫌気がさしたペレは「もうこの大会には出ない」と宣言して、イングランドから去った。
 事件は大会のラストにも用意されていた。イングランドVS西ドイツの決勝戦でのこと。問題となったのは、イングランドのジョフリー・ハーストの放ったシュートだ。審判はゴールを認めたが、それはゴールラインを割ったか割らないかという微妙なものだった。“疑惑のゴール”と呼ばれ、大会史上もっとも物議をかもすゴールとなった。
 



◆決勝トーナメント 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝 イングランド

 

 

イングランド

 

準優勝 西ドイツ

 

西ドイツ

1-0

 

 

 

 

4-0

アルゼンチン

 

 

 

 

 

 

ウルグアイ

 

2-1

 

 

2-1

 

ポルトガル

 

 

4-2

 

 

ソ連

5-3

 

 

 

 

2-1

北朝鮮

 

 

3位決定戦

 

 

ハンガリー

 

ポルトガル

 

 

 

 

2-1

 

 

 

 

 

ソ連

 

 




◆1次リーグ      勝点(勝=2点、分=1点、負=0点)
1組  イングランド ウルグアイ メキシコ フランス 勝点
イングランド ---
0-0

2-0

2-0
2 1 0 4 0 5
ウルグアイ
0-0
---
0-0

2-1
1 2 0 2 1 4
メキシコ
0-2

0-0
---
1-1
0 2 1 1 3 2
フランス
0-2

1-2

1-1
--- 0 1 2 2 5 1
2組  西ドイツ アルゼンチン スペイン スイス 勝点
西ドイツ ---
0-0

2-1

5-0
2 1 0 7 1 5
アルゼンチン
0-0
---
2-1

2-0
2 1 0 4 1 5
スペイン
1-2

1-2
---
2-1
1 0 2 4 5 2
スイス
0-5

0-2

1-2
--- 0 0 3 1 9 0
3組  ポルトガル ハンガリー ブラジル ブルガリア 勝点
ポルトガル ---
3-1

3-1

3-0
3 0 0 9 2 6
ハンガリー
1-3
---
3-1

3-1
2 0 1 7 5 4
ブラジル
1-3

1-3
---
2-0
1 0 2 4 6 2
ブルガリア
0-3

1-3

0-2
--- 0 0 3 1 8 0
4組  ソ連 北朝鮮 イタリア チリ 勝点
ソ連 ---
3-0

1-0

2-1
3 0 0 6 1 6
北朝鮮
0-3
---
1-0

1-1
1 1 1 2 4 3
イタリア
0-1

0-1
---
2-0
1 0 2 2 2 2
チリ
1-2

1-1

0-2
--- 0 1 2 2 5 1


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