1970年第9回メキシコ大会

大会方式: 16チームを4グループに分け予選1次リーグを戦い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントへ進出する。
今大会からイエローカードとレッドカードが採用され、また選手交代も認められるようになった。
大会結果: 優勝  :ブラジル(3回目)
準優勝:イタリア
3位  :西ドイツ
4位  :ウルグアイ
得点王(10点): ゲルト・ミュラー(西ドイツ)
総評:  どのチームも十分な準備をして大会に臨んだが、30度を超える真夏の炎天下での試合は、選手たちにとって過酷な試練の場となった。ただ、試合そのものはフェアな好ゲームが数多く見られた。というのも前回大会で目に余るラフプレーが横行したため、この大会からイエローカードとレッドカードが採用され、選手交代も認められたからである。
 メキシコ大会では数々の名勝負が生まれた。なかでも鮮烈な記憶を残したのが、イタリア対西ドイツの準決勝である。舞台はメキシコ・シティのアステカ・スタジアム。前半8分に先制したイタリアは、ゴールに鍵をかけて西ドイツの攻撃をことごとく跳ね返した。
 しかしドラマは終盤に待っていた。西ドイツが1点ビハインドのまま、試合はロスタイムに。このまま終わりかと思われたその矢先、西ドイツのシュネリンガーのゴールが決まる。延長戦は壮絶な点の取り合いとなった。94分に西ドイツが勝ち越し、98分にイタリアが追いつく。さらに104分にイタリアが逆転、110分に西ドイツのゴールが決まって振り出しに戻る。その1分後、イタリアに決勝点が入り、この死闘に決着がついた。世に言う“アステカの死闘”である。こうしてイタリアは決勝に勝ち上がったが、息詰まる死闘を戦い抜いた戦士たちは疲労困憊し、ブラジルの前に為す術もなく敗れた。
 



◆決勝トーナメント 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝 ブラジル

 

 

ソ連

 

準優勝 イタリア

 

イタリア

 

 

 

 

 

4-1

ウルグアイ

1-0

 

 

 

 

 

メキシコ

 

 

 

 

4-3

 

ブラジル

 

3-1

4-1

 

 

西ドイツ

4-2

 

 

 

 

3-2

ペルー

 

 

3位決定戦

 

 

イングランド

 

西ドイツ

 

 

 

 

1-0

 

 

 

 

 

ウルグアイ

 

 




◆1次リーグ      勝点(勝=2点、分=1点、負=0点)
1組  ソ連 メキシコ ベルギー エルサルバドル 勝点
ソ連 ---
0-0

4-1

2-0
2 1 0 6 1 5
メキシコ
0-0
---
1-0

4-0
2 1 0 5 0 5
ベルギー
1-4

0-1
---
3-0
1 0 2 4 5 2
エルサルバドル
0-2

0-4

0-3
--- 0 0 3 0 9 0
2組  イタリア ウルグアイ スウェーデン イスラエル 勝点
イタリア ---
0-0

1-0

0-0
1 2 0 1 0 4
ウルグアイ
0-0
---
0-1

2-0
1 1 1 2 1 3
スウェーデン
0-1

1-0
---
1-1
1 1 1 2 2 3
イスラエル
0-0

0-2

1-1
--- 0 2 1 1 3 2
3組  ブラジル イングランド ルーマニア チェコスロバキア 勝点
ブラジル ---
1-0

3-2

4-1
3 0 0 8 3 6
イングランド
0-1
---
1-0

1-0
2 0 1 2 1 4
ルーマニア
2-3

0-1
---
2-1
1 0 2 4 5 2
チェコスロバキア
1-4

0-1

1-2
--- 0 0 3 2 7 0
4組  西ドイツ ペルー ブルガリア モロッコ 勝点
西ドイツ ---
3-1

5-2

2-1
3 0 0 10 4 6
ペルー
1-3
---
3-2

3-0
2 0 1 7 5 4
ブルガリア
2-5

2-3
---
1-1
0 1 2 5 9 1
モロッコ
1-2

0-3

1-1
--- 0 1 2 2 6 1


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