1974年第10回西ドイツ大会

大会方式: 16チームを4グループに分け予選1次リーグを戦い、各グループ上位2チームの8チームを2組に分けて2次リーグを行なう。  各組の1位同士が決勝戦、2位同士が3位決定戦を行なう。
大会結果: 優勝  :西ドイツ(2回目)
準優勝:オランダ
3位  :ポーランド
4位  :ブラジル
得点王(7点): グジェゴシュ・ラトー(ポーランド)
総評:  FIFAワールドカップTMの2年前、西ドイツではミュンヘン・オリンピックが開催されたのだが、この時にテロリストが選手村を襲撃し、死亡者を出すという痛ましい事件が起きた。この苦い経験を踏まえ、ドイツ政府はFIFAワールドカップTMの警備に多額の予算を投入した。まず、いたるところに警官を配備して選手やチームを厳重に護衛。また観客も厳戒体制の下に置かれた。それゆえ、どこか重々しい空気の漂う大会となった。
 9大会の間、歴代の世界王者にかかげられてきたジュール・リメ杯は、ブラジルが永久保持することになったため、この大会から新しいトロフィーがお目見えした。現在でも使われているお馴染みのトロフィーである。
 また、トロフィーとともに、新世代のスターが出現した大会でもあった。前回大会で円熟のピークに達していた“キング”ペレは、1971年に代表を引退。セレソンの10番は、当時ペレの後継者といわれたリベリーノがつけることとなり、サッカーの一時代が終わったことを感じさせた。そして、新世代のスターは南米からではなく、ヨーロッパから出現した。オランダのヨハン・クライフと、西ドイツのフランツ・ベッケンバウアーである。両者ともに不世出の天才であった。“皇帝”ベッケンバウアーは、21歳で66年イングランド大会に出場し、70年、74年と常に西ドイツチームの中心的存在として君臨してきた。72年欧州選手権では、ベッケンバウアー率いる西ドイツが初の王座に輝いている。一方、クライフはFIFAワールドカップTM出場こそ、この西ドイツ大会が初めてだったが、クラブチームでは71年からチャンピオンズ・カップ3連覇という偉業を達成している。両雄のどちらがFIFAワールドカップTMのタイトルを手にするのか、人々の関心はその一点に集まった。そして両者は決勝戦で相まみえた。激闘の末、軍配はベッケンバウアーにあがった。
 



◆決勝戦

決勝戦
西ドイツ 2−1 オランダ


3位決定戦
ポーランド 1−0 ブラジル



◆2次リーグ   勝点(勝=2点、分=1点、負=0点)
groupe
groupe  オランダ ブラジル 東ドイツ アルゼンチン 勝点
オランダ ---
2-0

2-0

4-0
3 0 0 8 0 6
ブラジル
0-2
---
1-0

2-1
2 0 1 3 3 4
東ドイツ
0-2

0-1
---
1-1
0 1 2 1 4 1
アルゼンチン
0-4

1-2

1-1
--- 0 1 2 2 7 1
Bgroupe
Bgroupe  西ドイツ ポーランド スウェーデン ユーゴスラビア 勝点
西ドイツ ---
1-0

4-2

2-0
3 0 0 7 2 6
ポーランド
0-1
---
1-0

2-1
2 0 1 3 2 4
スウェーデン
2-4

0-1
---
2-1
1 0 2 4 6 2
ユーゴスラビア
0-2

1-2

1-2
--- 0 0 3 2 6 0


◆1次リーグ 勝点(勝=2点、分=1点、負=0点)
1組  東ドイツ 西ドイツ チリ オーストラリア 勝点
東ドイツ ---
1-0

1-1

2-0
2 1 0 4 1 5
西ドイツ
0-1
---
1-0

3-0
2 0 1 4 1 4
チリ
1-1

0-1
---
0-0
0 2 1 1 2 2
オーストラリア
0-2

0-3

0-0
--- 0 1 2 0 5 1
2組  ユーゴスラビア ブラジル スコットランド ザイール 勝点
ユーゴスラビア ---
0-0

1-1

9-0
1 2 0 10 1 4
ブラジル
0-0
---
0-0

3-0
1 2 0 3 0 4
スコットランド
1-1

0-0
---
2-0
1 2 0 3 1 4
ザイール
0-9

0-3

0-2
--- 0 0 3 0 14 0
3組  オランダ スウェーデン ブルガリア ウルグアイ 勝点
オランダ ---
0-0

4-1

2-0
2 1 0 6 1 5
スウェーデン
1-0
---
0-0

3-0
1 2 0 3 0 4
ブルガリア
1-4

0-0
---
1-1
0 2 1 2 5 2
ウルグアイ
0-2

0-3

1-1
--- 0 1 2 1 6 1
4組  ポーランド アルゼンチン イタリア ハイチ 勝点
ポーランド ---
3-2

2-1

7-0
3 0 0 12 3 6
アルゼンチン
2-3
---
1-1

4-1
1 1 1 7 5 3
イタリア
1-2

1-1
---
3-1
1 1 1 5 4 3
ハイチ
0-7

1-4

1-3
--- 0 0 3 2 14 0


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